キャリアコンサルティング技能検定2級/試験結果分析（その５）

前回からの続き。

シビアな現実を目の当たりに！！

■論述　６０点　合格

■面接
・基本的態度　６０点　
・関係構築力　５５点
・問題把握力　５０点

・具体的展開力　５０点

合計５３点　不合格

最後は、具体的展開力。

こちらも５０点。

オフィシャルにある評価区分は以下。

具体的展開力：相談者との関係性を意識しながら面談を進め、
相談者の訴えを理解した上で適切な目標を設定し、
キャリアコンサルタントとしての対応を適切に選択し、
対応できることで、相談者に気づき、変化
（問題に対する認知の変化、自分または重要な他者に対する認知の変化、
自己の表面的な表現から内面表現への変化、具体的行動や意欲の変化など）が起こること。

とあります。

私の場合、相談者の悩みは、

部署変更があり仕事がおもしろくない、

上司に相談しても、真剣に取り合ってくれない、

というものでした。

いわゆる転職するか、今の会社へ残るか迷い中系。

「相談者の訴え」は理解できたいたと思います。

問題は、

「適切な目標を設定し、
キャリアコンサルタントとしての対応を適切に選択し、
対応できる」

この部分。

目標は、キャリコンは非指示的アプローチが基本なので、

転職するのか、今の会社に残るのかを、

相談者自身で決められるようになること、でしょう。

「キャリアコンサルタントとしての対応を適切に選択し、対応できる」

この部分は、キャリア理論を用い、気付きを与える、ということか。

そして、更に難しいのが、最後の（）書きの部分。

（問題に対する認知の変化、自分または重要な他者に対する認知の変化、
自己の表面的な表現から内面表現への変化、具体的行動や意欲の変化など）が起こること。

キャリア理論によって、相談者に内面の変化が起き、

具体的な行動の変化（新たな選択肢）まで見つかる事が求められています。

つまり、

傾聴（ヒアリング）→ラポール形成→問題把握（相談者の隠れた主訴も含む）

→目標設定→キャリア理論を用いたカウンセリング→内面の変化、具体的行動の変化

ここまでの流れを２０分で行うことが、必要なのです。

まとめると、こういうこと・・・

まず、時間配分がとても重要。

国家試験の合格率よりも、技能検定２級の合格率が低いということは、

・国家試験＝キャリコンとしての基礎的態度を見る

・技能検定＝問題把握力、具体的展開力を見る

恐らく、こういう立ち位置で間違いないでしょう。

よって、技能検定試験では、関係構築に時間を割きすぎると、

問題把握力、具体的展開力を発揮するに至れず、

タイムオーバーになる危険性が大。

ここは案外落とし穴で、

真面目に、

キャリコン＝傾聴、ラポール形成が大事

と考えている人ほど、合格への壁が高くなります。

時間を計算し、次へ次へと冷静に場面展開を

していく事が求められると感じます。

技能検定2級の存在意義とは

最後に、この検定を受験した者として思う事。

まず、この検定が、国家試験合格後の

次のステップに位置付けられ、

より、キャリコンとしての技能を測るものに

なっていることは想定されます。

では、その個々の技能が、２０分で正確に測れるのか？

という疑問です。

私の実務経験（転職相談、求人案内）から考えても、

ラポール形成、傾聴、ヒアリングで最初の

６０分くらいを使うことも、

珍しくありません。

むしろ、実務でカウンセリングを密に行っている人の方が、

この試験では、落とし穴にはまりやすいのでは。

何のために受験するのか・・・

私がこの検定の受験を考えた理由は、

合格により、国家資格の更新講習が免除されることです。

しかし、標準が国家資格化され、

技能検定単独での取得意義が薄れたことは明白で、

２９,９００円をまた支払うのならば、

きちんと更新講習を受講し知識を付ける、

そのお金で書籍でも買ったほうが、

キャリコンとしては

良いと思うに至りました。（最初から気づけよ俺・・・）

国家資格と、技能検定、

この二つの在り方は、

今後も問われていくのでは。

この回終わり。